滲み出る美しさ

想うこと



私は雪国に住んでいる
冬になると当たり前に降る雪は
良くも悪くも日々の生活に影響を与える



こちらの事情を一切考慮しない 笑
除雪を伴う降雪
視界を遮る吹雪
一方で
雪化粧をした壮大な大地はいつも私の心を奪う
雪が降り積もった翌朝は静けさに包まれる
街灯に照らされた雪が舞う姿は
まるで映画のワンシーンのようだ




雪は美しい





雪が見せてくれるたくさんの情景は
子どもの頃から私を魅了し続ける



でもそれは
目に映る造形美だけにフォーカスされるものではない



人間のコントロール下にはない
命の危機すら覚えるほどの冬の厳しさ
大自然の前で見せつけられる人間の無力さ
それらへの降参
自ずと立ち上がる畏敬の念




そのすべてを内包した美しさだ



そしてそれは
雪に限ったことではなく
自然の一部でもある人に対しても
私は同じ感覚をもつ



人間が人間であるが故の様々な感情
人生で起こる予測不可能な出来事



それは決して
嬉しい楽しい幸せという
美しいものだけではなく



悲しい辛い落ち込むという
一般的には嫌煙される
醜いと呼ばれるものも含まれる



そこに向き合い
自身で体験し
昇華したからこそ立ち現れる
だからこそ滲み出る美しさがある




表面的に目に見えて
わかりやすいものでも
演出できるものでもない



生き方として
あり方として
滲み出るものだ



隠しても隠しきれない
その人としての心のひだに
その深さに
私はどうしようもなく惹かれる。



そして誰しも
人はそんな一面を持っている



だから私は
自分のそんな醜さも認めて
そんな自分を排除せず
表現していたい
そんな風に思う




〜絵と言葉の世界にて〜